I believe it's originally in Japanese. Mr. Watanabe is Japanese.

I'm going to translate it later, next days.
I would appreciate if you would help and correct me.

Sound & Recording Magazine (12) 2007 December
special report
デヴィッド・シルヴィアン
ワールド・ツアー日記
by 渡辺琢磨(COMBOPIANO, sighboat)
9月初旬の北欧を皮切りにヨーロッパ全域を巡り、この10月末に香港、日本で終焉を迎えたデヴィッド・シルヴィアンのツアー "THE WORLD IS EVERYTHING"。このツアーでデヴィッドは、大胆にも全く面識の無いピアニスト、渡辺琢磨をサポート・メンバーに起用した。その渡辺が、18カ国/30公演を巡るツアー日記を本誌のために執筆。約2カ月半にわたる、世界の大会場を舞台にした彼の奮闘ぶりをここにお伝えしていこう。
17th Aug. London (UK)
デヴィッドからE-Mailをもらったのが3ヶ月前。前回の来日ツアーの際、彼が偶然入った京都のカフェで僕の曲が流れていて、それを聴いた彼が人伝いに僕の連絡先を入手した・・・・・・という不思議な経緯でコンタクトがあり、ツアー参加が決定。アレヨアレヨという間に、スティーヴ・ジャンセン(ds)の車にデヴィッドとキース・ロウ(b)と一緒に乗り込んで、リハスタに通う毎日が始まりました。同じメンバーでこんなに長くツアーに出るのも初めてですが、特に新鮮なのはインイア・モニターを使用すること。僕もデヴィッドの勧めで、モールドのイアフォンを作りました。かなり違和感があるのですが‚Äù少したてば慣れる‚Äùというデヴィッドの提言もあり、使用を続行することに。しかし耳元で響くデヴィッドの歌声は気持ちいいです。ツアーの内容は、ジャパン時代から現代に至るデヴィッドの集大成的なものになりそうで、オリジナルの演奏者のことを思うと緊張します。
7th Sep. Stockholm(Sweden)
ストックホルムのチャイナ・シアターで初日を迎えました。未体験の欧州のデカ箱に少々とまどっている僕は、まだ自分に与えられた役割に徹するのみですが、一曲目が終了した瞬間、にわか雨のような歓声が!それに乗せられてアッという間にアンコールに突入。大観衆の大海原を4人の音楽家を乗せたボートが意気揚々と航海した感じであります。かじ取りはもちろんデヴィッド。大舞台でのコンディション、ムード作りはさすがにうまいです。
9th Sep. Copenhagen (Denmark)
今ツアーでは海藤春樹さんが舞台美術/映像などを担当しており、このコペンハーゲン/ロイヤル・シアターまで同行されました。鮮やかなゴールドの色調からブルーへとグラデーションする映像が投影され、オーディエンスをデヴィッド・ワールドに引き込む原動力になっています。セットの中間を過ぎた辺りで雪のようなものが降ってくるのですが、ステージを和ませる気持ち良い演出で、演奏中にもかかわらずうっとりみとれています。
クリックに合わせてライヴをするのにもまだまだ慣れが必要ですが、超タイトなグルーヴをたたき出すスティーヴが‚Äùオレを見ていれば大丈夫だ‚Äùと励ましてくれます。
12th Sep. Dublin (Ireland)
このツアー、2階建てのバスで移動しています。インターネットに接続できる環境もあり大変便利なのですが、僕はあまり三半規管が強くないので、長時間の車移動は結構こたえます。
今回のツアー、各会場のキャパは1,000人以上で、大体がコンサート・ホール/シアター的な様相です。しかし、ここダブリンの会場、Vicar Streetだけは、どちらかというと大きいライブ・ハウスといった趣。そのかわり、オーディエンスのフィードバックはすごかった! ケンカ言葉に聴こえてしまうような絶叫も、デヴィッドやスティーヴのリアクションを見る限り何か楽しそうなので、おそらく行き過ぎた歓声だったのでしょう(笑)。
17th Sep. London (UK)
ロンドンに戻ってきました。ロイヤル・フェスティバル・ホールはツアー序盤の山場となる会場。サイズも雰囲気もやはりワンステップ上がる感じでした。デヴィッドに‚Äù動揺さえしなければ、オーディエンスはいつもタクのことを信じ続けてくれる‚Äùと励まされ、何とか本番を乗り切ったのですが、終演後のパーティーで僕の演奏を褒めてくれる方がいらっしゃいました‚Ķ‚Ķそれが何と、元ジャパンのキーボーディスト、リチャード・バルビエリさん!
21th Sep. Paris (France)
十年来の友達でパリ在住の半野善弘さん、sighboatの同士である内田也哉子さん、頼もしい2人の来場もあって、とてもリラックス&ハイテンションで演奏できました。終演後はクリスチャン・フェネス夫妻と対面。フェネス氏にピアノのアプローチを褒められて有頂天に。デヴィッドをリスペクトしながらシンプルに自分を出すアプローチ‚Ķ‚Ķようやく僕も"サポート"ではなく"バンドの一員"になれてきたような気がします。
2nd Oct. Amsterdam (Netherlands)
イタリアで5公演を行った後、アムステルダム入り。会場のRaiというホールはとても素晴らしく、柱型の客電が空間全体を広々と演出しており、久々のSTEINWAYピアノも心地よく響きわたります。こういう会場では、さすがにイアモニを外して演奏したくなります。
6th Oct. Berlin (Germany)
先週からメイン・シンセのNOVATION K-Station用ACアダプターが接触不良になり、代用品をあれこれ試しても思うように作動しません。そこでベルリン公演に来る瀬川雄太氏(SUBTLE)に連絡を入れ、同一規格品を日本で調達し持参してほしい、と伝えておいたのです。それが無事届けられ、電源を入れると、"オォ!"というにわか大仰な歓声が上がりました!日本の楽器屋はやっぱり手堅い!?終演後、ナイン・ホーセズのバーント・フリードマン氏が楽屋に顔を出してくれました。
13th Oct. Skopje (Macedonia)
町で1つしかないホール、ユニバーサル・ホールが会場。外装はかなり荒んでいる感じなのですが、ステージや内装は風格ある欧州の劇場といった趣です。いぶし銀の調律師は一向に調律をせず、スクリャービンを演奏。とてもお上手なので聴き入ってしまいます。ロシアの大作曲家が、なぜかとてもしっくりくる会場でした。
27th Oct. Hong Kong (China)
ポルトガル、スペインを回り、ヒースロー経由で1980年代の東京のようなテンションの香港へ。何と!パッド用シンセのKORG R3が盗まれてしまいました。ツアーマネージャーのパトリックが同じものを見つけてきてくれて事なきを得ましたが‚Ķ‚Ķ。
30th Oct. Tokyo (Japan)
一昨日、やっと日本に戻ってきました。昨日の大阪公演からデヴィッドが体調を崩し、今日の最終公演では数曲をドロップすることに。ツアー中「オーディエンスにベストなパフォーマンスで応えたい」という、常々デヴィッドが口にしていた気持ち、「過去のレパートリーをそれ以下の内容にするくらいなら演奏しない方がよい」という妥協を許さない徹底した姿勢が、変更を余儀なくしたのだと思います。まして曲中に歌い手の自分がせきをするなど、彼の信念では有り得なかったはずです。劣悪なコンディションでも、可能な最善手をすべて出し尽くし演奏した、最終日だったと思います。主役であるデヴィッドの声を引き立てながら表現をしていく、これは大きな経験になりました。同時に優れた音楽家で人格者のデヴィッド、バス酔いの僕を介抱してくれた優しいスティーヴ、フランクで良き相談役であったキースから、音楽以上に何かを学べたと思います。まだ終わった実感はありませんが、明日は自分のライヴ、明後日はレコーディング‚Ķ‚Ķ荷を降ろせるのはいつになるのやら‚Ķ‚Ķ(笑)。